N's life

音楽とか読書とか,日々のあれこれ

自分なりの,学び方を学んでほしい

学生に課題を提示すると,彼らはそれぞれに問題にぶつかります.
そして勇気を出して?質問してきます.
学生「xxがわからないんですけど」

私はたいてい,
「それは困ったね.どうしたらいいと思う?」
と言い放ちます.
ひどい(笑).冷酷無慈悲であります.

でも意外と,これでどうしようもなくなってハングアップしちゃう学生はめったにいません.もう一度よく考えますとか,ちょっと隣の人に聞いてもいいですか?とか,ネットで検索してもいいですか?とか言ってくれます.
もちろんOKですと答えます.
困難にぶつかったとき,じゃあどうするかを編み出すことこそ,期待する行動なのです.

もしかしたら,すごくしょうもないことかもとかおびえながら同級生に訊ねる.これって,簡単そうでそれなりに勇気のいることです.同級生に対してできないことが,会社で先輩や上司に対してできるわけがなく,ましてお客様に対してはなおさらです.
友だちもわからないことがわかって自分だけじゃなかったと安心したり,あまりにつまんないことで面倒そうな顔されて凹んだりと悲喜こもごもですが,学べることは大きいはずです.

以前,とある学会の発表会で,演習中にネット利用を許すと,学生はコピペしちゃいませんかという質問を受けたことがあります.
私のスタンスは,コピペや検索はどうぞご自由に!です.
逆に,ネットで調べられるようなことで悩みこんだり,わかりませーんとお手上げのふりをしたりするのは,期待する行動の対極です.
公開情報のコピペで解決するような問題なら,コピペで解決すればいいんです.ただし,コピってきたらその瞬間にその内容については責任が発生します.使い方 をミスったり,コピー元の内容に不具合が内在していたりしても,それは使ったひとの責任です.(不正なコピーは問題外です)

最近,Arduinoを使った演習講義をしました*1.スイッチとLEDだけの簡単なプログラムです.あのArduinoですから,事例はネットに五万とあります.一生懸命,似た例を探す学生も,もちろんいます.でも,見つけた事例を,自分の問題(課題)に合わせて改造するの は,相応の技術力が求められます.似た例を真似たはずなのに,うまくいかない学生のほうが多いです.そこで彼らは行き詰まって挙手して訊ねます.
「先生,これがうまくいかないんですがどうしてでしょう?」
もちろん私はやさしく答えます.
「ほんとだ,どうしてだと思う?」(笑)

ほとんどの学生は,ハングアップしたりしません.
彼らは,優秀で,熱意のある若者たちです.



*1)北九州市立大学・山崎進先生の「情報メディア工学・実験Ⅲ」をお手伝いさせていただいてます